市川市、ダブル百条委員会の経緯説明

前代未聞の地方議会における同日百条委員会可決の件とその後について
ことの始まりは全国の限りなくグレーな政務活動費支出項目でおなじみの切手大量購入による不正疑惑からでした。

市川市の百条委員会を巡る経緯

2014年8月、ある市川市民の方が市川市議会議員全員分の政務活動費に対して公文書公開請求を行い、収支報告書を調査したことから始まります。その中で、11名の市川市議会議員が切手を不自然に大量購入していることを発見、「これは不正支出ではないか?」と指摘、市へ監査請求を行いましたが市の監査委員より「具体的な証拠なし」ということでこの住民監査請求は同11月に棄却されました。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000191336.pdf
ここまではわかりやすいと思います。
その後2014年12月24日クリスマスイブ、市川市議会臨時議会にて「政務活動費の不正使用疑惑解明」が議論され、その中で
発議第43号「政務活動費等により切手を大量に購入した会派の調に関する決議」
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cou01/1111000218.html
(発議43、44号掲載ページ)

が可決され百条委員会設置が決定しました。

ここで終わるかと思いきや、

発議第44号 「政務活動費(調査費)の不正支出の調査に関する決議について」

も同日で発議され可決、委員会の設置が決定しました。
当日の会議録 (2014年12月 臨時会 2014年12月24日 )はこちら http://bit.ly/2jp7Cxe

想像するに
会派A「不正支出やってるでしょ!」
会派B「お前もな。」
といった、いまどき子供でもやらないケンカ状態が大人の市議会で税金を使って繰り広げられた模様です。
しかし、どうして同日議会で2本もの百条委員会が同じ議会内で発議、可決できたのでしょうか?

百条委員会の設置決議を行うとき、発議の内容で調査される側の議員は利害関係者として決議の場から退場しなくてはならないのですが、市川市の場合42議席(2016年現在)、発議第43号での利害関係者が退出、18名の議員で賛成可決、発議第44号で43号に賛成した18名の議員が利害関係者として退出、43号で退出した議員で可決といった発議に利害関係のある議員は退出という百条委員会ならではのルールにより“百条委員会ダブル設置”という事態が起こってしまいました。※ここがポイント

翌2015年1月には大久保博市川市長(現職)による会派ごとの外部監査実施を専決処分※とし、3月25日、個別外部監査の報告書が公表されます。

http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000200015.pdf

※本来、議会の議決・決定を経なければならない事柄について、地方公共団体の長が地方自治法(昭和22年法律第67号)の規定に基づいて、議会の議決・決定の前に自ら処理すること。

個別外部監査報告書14、15ページを見ていただければわかりますが、政務調査費は会派単位で支払い、精算されます。議員別ではなかなかわかりにくい仕組みです。なお、市川市では2016年5月より個人でも政務活動費の交付が受けられるようになった模様です。
http://www.city.ichikawa.lg.jp/cou01/1551000138.html

 

2015年3月31日、43号が調査期限を向かえ、同4月市川市議会議員一般選挙には44号の調査報告書は間に合わず有権者の判断基準にはなりませんでした。
最終的に2015年6月17日に「政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会(百条委員会)」が設置されました。

2016年9月26日に
「政務活動費等により切手を大量に購入した議員の調査に関する特別委員会」
報告書 が提出されました。

http://www.city.ichikawa.lg.jp/common/000241033.pdf

疑わしい内容はたくさんありましたが議会で設置された「百条委員会」をもってしても不正事実について確信を持って論じることは出来なかったようです。

上記報告書より抜粋
「砂浜を歩くと、そこには歩いた人の足跡が残るものである。 砂浜をどう歩いてきたのかは 、歩いた人が自身の足跡を示すことで 、誰もが首肯するところとなる。」
調査報告書77ページより

地方議会ニュース 記者 青山真士
PHOTO   POHAN CHEN   https://www.flickr.com/photos/pohan-camera/