待機児童と地方議会

待機児童問題について

土日夜間議会改革サロン事務局 青山真二氏/㈱政策工房 代表 原英史氏

青山

裁判員裁判制度ですがいままで専門家だけではなく普通の人も裁判に参加してもらおうということでまさしくボトムアップの仕組みだと思います。議会にもこのようなやり方が必要だと思います。巷で問題の子育て支援、待機児童問題などですが、目指していることと現実のギャップを感じます。この問題で身近な人は地域では女性ですが(議会では)女性の意見が圧倒的にすくない気がします。(当事者が)議会に参加すべく土日夜間の昼の仕事がないときに議会を開催することにより参加してゆく形かと思います。

裁判員の話をされましたが、裁判については法律のプロが裁判をするという仕組みでそこに普通の人の声をいれましょうというのが裁判員裁判制度です。だけども議会は本当はもっとおかしくて「普通の人の意見を反映させるために議会がある」のです。そこがプロの政治家に占拠されていて一般の人の意見が入りにくくなっているなんてそもそもおかしな話です。さらに女性の話、待機児童の話などですが女性議員の人数が少ないです。国会議員よりさらに地方議会のほうが女性議員がすくないです。(資料)

待機児童の話では地方議会はなにをしているのかというと、地方議員に相談すると入れるなんていう話があります。甘利さんの口利きの話なんて言ってますが地方なんてそんなことばかりやっています。

青山

今まで国だから目立つ、というだけでなく、昔と違いソーシャルネット的には千代田区の報酬や大分県議など地方議会のことも共有化出来る時代になってきています。 続きを読む 待機児童と地方議会

地方議会の政務調査費について

地方議会の政務調査費について

土日夜間議会改革サロン事務局 青山真二氏/㈱政策工房 代表 原英史氏

青山 

 最近では大分県の県議が地球一周半分(6万6千キロ)のガソリン代の経費を政務活動費内調査旅費として取得していることが分かったわけですがこれはもうどう見ても通用しないですよね。

http://www.nishinippon.co.jp/nnp/oita/article/230545

原 

 この話は兵庫県の号泣県議がさんざん問題にしたにもかかわらずまだまだ同じような問題がそこらじゅうで起きているということです。

青山 

この件からもまだまだ潜在的にはこの手の問題がおこっているとおもってまちがいないですね。私の住んでいる市川市でも百条委員会が解決しておらず、切手を政務活動費で買いすぎた十数人の議員がいてこれは地元の人間としてもうどうにかしなければならないと思っています。http://www.sankei.com/region/news/150618/rgn1506180054-n1.html

原 

 最も問題なのは千代田区では政務活動費の問題が出てきていますがこれは、領収書などが公開されていて問題になっているからよくて、国会議員や大きな政治団体の領収書ならみなさんチェックするのですが、地方議会まではなかなかできてなくてやってみたらとんでもないことになっていました。千代田区で問題になっていたのは政務活動費から給与に付け替えてしまうということでした。給与となると領収書をつけなくて良いという話がうごいていましてびっくりしました。

http://mainichi.jp/articles/20151225/k00/00m/010/102000c

青山

先日、千代田区の特別職報酬等審議会におじゃましてきましたが、

https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kuse/jinji/tokubetsushoku/h25.html

元議員をやっていた方が発言を忘れているなど話が前後しまくって座長はお困りになっていました。そもそもああいった方たちを招集して審議会を行う、わからないまま議事録無視でシャンシャンで終わらせてしまう、あまりに慣れ合いです。

日本独特のお役所にお任せする、といったこともそろそろ変わる時が着ていると思います。

「地方議会に法制局をつくり政務活動費の無駄をなくす」佐々木信夫中央大学教授

さる平成27年統一地方選挙直前、中央大学教授佐々木信夫先生に地方議会のあり方をインタビューしました。
民主主義が崩壊する前に 佐々木信夫中央大学教授 (平成27年4月動画収録 地方議会ニュース)
佐々木先生近影

第2回 「地方議会に法制局をつくり政務活動費の無駄をなくす」

今回の統一地方選挙(2015年)を見ますと、住民が注目しているのは「人口減少に対して地域をどうするか」というのが一つ、もう一つは議員の活動そのものについて、特に「政務活動費について」厳しい目が向けられています。

政務調査費から政務活動費へ

そもそも政務活動費は(今から2年前までは「政務調査費」と呼ばれていた)、平成12年の地方分権改革が行われて以後、地域版のミニ国会のような役割をきちっと地方自治体の議会が果たすべきだという立ち位置が変わってから、つまり政治の主役に地方議会が置き換わってから、決定者としても政策をいろいろ勉強してから決定をするということに端を発します。もちろん提案者としても条例を作るための勉強をしなければなりませんし、さまざまなセミナーに行っていろんな人の意見を聞くことも、現場を調査することも大事、さらに言えば海外の調査もする。こういう費用をどのようにしてつくったらいいかということから始まったものです。

「政務活動費」は、政策のための調査や研修のための費用に限定をしていた「政務調査費」を、「その他」という項目を加えて他の活動にも使えるとしました。では、「その他」とはなんでしょうか。

その他が8割

概ね8割は政策のための調査や研修のための費用に使われ、「その他」は2割以下というのが世の中の常識でしょうが、実際蓋を開けてみますと、2013年度の決算書では、驚くことに「その他」が8割を占め、実際勉強のために使われているものが2割を割り込んでいます。

人口5万人以下の市町村で政務活動費の問題が今度の選挙の最大の争点になるとは思いませんが、それ以上の選挙区で500万円〜700万円も使っているところを見ますと、8割は事務所経費やパートを雇っている事務経費、自分の選挙のためのビラの印刷費、ひどい話では車のガソリン代などであります。

一方で報酬というのは市議会で年間700万円ぐらい、県議会で年間その2倍の1,500万円〜1,600万円を平均すると払っています。町村の場合でも320万円〜330万円を年俸として払われていますが、それとは別に、500万円、600万円の政務活動費を払っているのは、「生活費に使っているのではないか」とみんなが怒り始めているわけです。

これは止めるか、見直すか、使い方を大胆に変えるか、なんらかの改革をしろということでしょう。

これはやはり、地方議員のあり方、組織で言えば地方議会の在り方そのものを問われているわけであり、政策官庁にふさわしい議会、つまり単なるチェック機関ではなく立法機関たりうる議会になろうとするなら、例えば政務活動費の半分を使って法制局をつくるといったことが必要ではないでしょうか。

広域で〇〇市町村法制局をつくったらいかがでしょうか?

参議院であれば参議院法制局、衆議院であれば衆議院法制局、内閣であれば内閣法制局があるように、人口が少ない自治体の場合は、例えば15ぐらいの市町村がまとまって広域の◯◯市町村法制局をつくり、法律の専門家や法科大学出身者などの若手を雇い、子育て条例や環境条例や地産地消条例など、いろいろ提案するということに使ったらどうだろうかと思います。

議員は、基本的には事務所費や経費や人件費、選挙用のビラなどは、別途労働報酬としていただいている報酬の中から支出をすることにする。このように透明性を高めていかなかいと地方議会に対する不信は、この蟻の一穴から崩れていくと思います。

動画はこちら

中央大学経済学部教授 佐々木信夫 (行政学者)
新しい自治体のあり方や市町村合併、行政のしくみを説く。市町村合併のテレビ解説で第4回NHK地域放送文化賞を受賞。日本の「あるべき姿」を唱えて活動している。(wikipedia佐々木信夫行政学者より)
著書
自治体政策 (日本経済評論社2008) 現代地方自治 (学陽書房2009)
地方議員 (PHP新書2009) 都知事 権力と都制 (中公新書 2011) ほか多数

 

名古屋市議会、報酬650万円増の妥当性

名古屋市役所

名古屋市議会議員の議員報酬を800万円から1455万円へ

 名古屋市議会は8日、議員報酬を800万円から1455万円に引き上げる条例案を自民、民主、公明などの賛成多数で可決した。河村たかし市長は審議をやり直す「再議」を求める構えだが、自民、民主、公明の3会派は「再可決」に必要な3分の2議席を確保している。河村市長が事態の打開に向け、議会の解散に向けた署名集めに動くかどうかが注目される。

2011年、名古屋市議会の議員報酬は1633万円から800万円へ

名古屋市議の報酬は本来、月額99万円で、期末手当などを含む年収ベースでは1633万円。「議員のボランティア化」が持論である河村市長は議会との対立を踏まえ、2011年の市議選に際して地域政党「減税日本」を設立。第一党に躍進し、議員報酬の半減、月額50万円、年収ベースで800万円にする特別条例を成立させた。

当時は減税日本が第一党だったものの、過半数には届いていなかった。そのため自民党などと「当分の間」の暫定措置とすることで合意し、全会一致で条例を可決した。提出の際の趣旨説明では、条例の適用期間について「民意による成案を得るため、特例による減額期間は、当分の間とする」とされた。

その後、減税日本では議員の不祥事や離党が相次ぎ、2015年の市議選では自民(22議席)、民主(16議席)に次ぎ、公明と共産と並ぶ12議席にとどまった。75議席のうち、3分の2にあたる50議席を野党が占有。議会における主導権争いのバランスが一気に変わったことを受け、野党は「報酬半減」の撤回に動き出した。

野党は議会内に「議会改革推進協議会」を設置して議員定数や報酬額について議論したが、報酬を引き上げようとする自民、民主、公明3党とそれに反対する減税日本、共産党との溝は埋まらず、協議は物別れに終わった。それを受けて自民、民主、公明3会派は報酬を1455万円に引き上げる条例案を提出。8日の本会議で可決させた。

議員報酬はいくらが適当なのか?

この問題を考えるにあたって、いくつかポイントがある。最大のポイントは「議員報酬はいくらが適当なのか」という点だ。

河村市長は欧米のように「議員はボランティア(無報酬)で担うべきだ」という考え。とはいえ欧米のような土日夜間ではなく、平日の日中に議会が開かれる現状では無報酬ではなり手がいないため、「市民並み」に引き下げようと半減の800万円とした。一方の野党は「800万円ではまともな議員活動ができない」と反発してきたが、その理由は「議員活動にはカネがかかる」というもの。地方議員は慶弔費や会合費がかさむうえ、事務所費や秘書などの人件費も一部を「政治資金で賄わなければならない」からだという。
名古屋市議には月50万円、年間600万円の政務活動費が支給されているが、事務所費や人件費といった「政務活動と政治活動の線引きが難しい支出」には各会派の内規で全額を充ててはならない決まりがある。自分の選挙や党のための活動に税金を充てるべきではないからだ。

政務活動費で支出できない分は献金などで集めた政治資金か、自己資金を充てるが、支出が多くて政治資金収入の少ない議員は赤字となる。報酬額が多ければ赤字も賄えるが、報酬が少なくて赤字額が大きければ当然、生活費が減る。ただ、そのために報酬を上げろということは、「政治活動の資金を税金で賄え」というのと変わらない。

議員報酬を引き上げたあとに削減?で市民の理解

今回、野党が報酬額を1455万円に設定したのは、「他都市と比べて最大の削減率」をアピールしたいから。他の主要都市では大阪市の削減率が12%で最も大きいため、それより大きい15%なら市民の理解を得られるはずだ、というわけだ。

確かに月額報酬をいったん99万円に戻したうえで15%削減し、期末手当を本来のままなら約1455万円となる。しかし、多くの市民にとっては15%削減ではなく、1.8倍への大幅な引き上げ。これで市民の理解を得られるかどうかは不透明だ。

もう一つのポイントは、5年前の報酬半減を全会一致で実現させたこと。野党各党は5年間で報酬半減から1.8倍に引き上げになぜ180度転換したのか。明確な説明が求められる。

ある野党議員は「当時と今では議会の構成が変わっており、(条例に盛り込んだ)『当分の間』は終わった」というが、この間に、趣旨説明にあった「民意による成案」は得られていない。自民党などは2015年の市議選で「報酬の引き上げ」を前面に掲げたわけではないし、引き上げ条例案を作る際にも「民意を反映する努力」があったとは言い難い。

残された手は解散請求(リコール)に向けた署名集め 

河村市長は引き上げ条例の審議をやり直す「再議」を求める方針だが、議会は3分の2議席以上の賛成多数で再び可決することができる。そうなると河村市長に残された手は2011年に使った議会の解散請求(リコール)に向けた署名集めしかない。

2011年には議会との対立局面を打開するため、リコールに向けた署名集めを開始。約37万の署名が集まり、住民投票を実現。解散への賛成が7割にのぼり、実際に議会を解散させ、減税日本で第一党を確保して報酬半減などいくつかの目玉政策を実現させた。

今回も議員の報酬を争点に、リコール、住民投票、出直し市議選に打って出るのか。32万超というハードルは高いが、5年前にも成立は誰も予想していなかった。他都市の議員も固唾を飲んで見守っている。

(地方議会ニュース解説委員 山本洋一)

PHOTO:T.Kiya  https://www.flickr.com/photos/38217580@N05/19037056451/

 

【シェアリングエコノミー 日本の民泊シリーズ お知らせ】 「民泊サービスにおける規制改革」公開ディスカッション

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現在Airbnbの登録数の急増などを背景に、オリンピックを見越した宿泊施設の不足や利用者のニーズの実態に沿った法規制が求められています。国家戦略特区内でも規制緩和が進んでいますが滞在期間は6泊7日以上が必要など、実態とはそぐわない面が多い模様です。

そんな中、規制改革会議 公開ディスカッション「民泊サービスにおける規制改革」が開催されます。

民泊による経済効果や予想される諸問題など自治体が「民泊とどう向き合うか?」についてたくさんのヒントが出てくると思います。 自治体民泊担当者の方には必見の公開ディスカッションです。

ディスカッションの模様はニコニコ生放送でも中継予定です。http://live.nicovideo.jp/watch/lv254572036

1.日時
平成28年3月14日(月)14:00~17:00

2.テーマ
「民泊サービスにおける規制改革」
規制改革会議委員、関係省庁のほか下記の関係団体や事業者をお招きし、民泊サービスにおける規制改革について意見交換を行います。               全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、一般社団法人日本ホテル協会、Airbnb Japan株式会社、株式会社百戦錬磨、一般社団法人新経済連盟

3.場所                                  中央合同庁舎第8号館1階 講堂(東京都千代田区永田町1-6-1)

詳細は内閣府HPにて http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/#discussion

PHOTO:regan76 https://www.flickr.com/photos/54524572@N00/16380008626/

ガバメント・クラウド・ファンディングについて

ガバメント・クラウド・ファンディングというものがあるのをご存知でしょうか?ジーメンス5V2GVITO

kickstarter や グリーンファンディング などクラウドファンディング業界では有名なところですがこれにふるさと納税の機能が付加されています。つまり寄付控除の対象になるということです。

福岡県大牟田市の事例 http://www.city.omuta.lg.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=7313

昨年の夏あたりに開始されたプロジェクトで「炭鉱電車」というぶっ飛んだ企画があがっていたので気になって覗いてみたらすでに1000万円近くの寄付が集まっていました。http://www.furusato-tax.jp/gcf/42 このプロジェクトのオーナーは福岡県大牟田市で、自治体がプロジェクトオーナーになっています。

自治体のアイデア次第でクラウドファンディングの仕組みを使えば“ふるさと納税”の未来にもっと面白いことが待っている気がします。

◯◯城の天守閣を再建したい

 

身近にあると楽しいシェアリングエコノミー 図書館活用いついて

身近にあると楽しいシェアリングエコノミー 図書館活用について
chain saw
民泊やUberなど主に個人が持っている遊休資産やひまな時間をスマホを始めとしたICT技術で仲介、情報交換することによりビジネスに変えてゆくシェアリングエコノミー(シェアリングエコノミーとは 総務省ページですが今回は海外ではある程度当たり前になっている図書館での日曜大工道具貸し出しについてです。
昨今日本では地方自治体が図書館の運営を民間に委託するスタイルが新しい試みとして取り上げられていますが、googleなどで[ library  tool  rental ]と検索すると海外の図書館では図書館本来の貸し出し機能を活用した日曜大工道具レンタルやビデオ機材などの事例が多く見受けられます。
事例
バークレイ

https://www.berkeleypubliclibrary.org/locations/tool-lending-library

オークランド
丸のこや溶接機など自前で所有することが難しいものを中心に活用が盛んのようです。
これらの図書館は書籍や文化を保管・ 提供貸し出しするだけではなく、「資料提供」や「創造できる場所」、「コミュニティーの場」「生涯学習支援」 という機能を持っています。
いままで思いもよらなかった「自分で出来る」がシェアリングエコノミーの台頭により次々と現実化してゆく中、日本の自治体も公共図書館を単なる本の貸し出しだけではなく、「貸し出し」という最強の道具をつかって面白いシェアリングエコノミーを始めてみてはいかがでしょう?
地方議会ニュース編集部
photo: Stephane  https://www.flickr.com/photos/54657246@N02/7697478254/

地方議会は国会と同じ立法機関である 佐々木信夫中央大学教授

さる平成27年統一地方選挙直前、中央大学教授佐々木信夫先生に地方議会のあり方をインタビューしました。
民主主義が崩壊する前に 佐々木信夫中央大学教授 (平成27年4月動画収録 地方議会ニュース)
佐々木先生近影

第1回 地方議会は国会と同じ立法機関である

中央大学の佐々木です。地方議会の問題についていろいろ話をしてみたいと思います。
統一地方選挙を前に地方議会のあり方がいろいろな形で問われています。政務活動費の使い方が杜撰ではないかとの指摘もあれば、地方議会の議員の活動はどうも何をやっているのかわからない、地方議会はそもそも必要なのかとの原点に立ち返ったような話もあります。

なぜ地方議会の改革が必要かという点で申し上げると、戦後70年、18回の統一地方選挙を行っていますが、この間、2000年以前と2000年以後を分けると戦後55年の間の地方議会の存在というものは地方自治体の脇役でした。各省大臣の地方の機関として知事、市町村長などを位置づけて「縦のライン」で国の委任した業務を行うのが大半の地方自治体の業務でありました。

したがって知事、市町村長に委任した事務は自治体の仕事ですが、意思決定には関わらなくて良いということでありました。実際に条例を提案することも出来ませんでしたし、知事が出した予算を減額修正するなんてことも出来ず、地方議会は執行したものをチェックする機関と言われてきました。これが戦後55年間の地方議会だったと思います。

平成15年以降も地方分権改革と言っていますが、地方分権一括法によってこれはガラっと様相が変わっております。概ね8割の仕事は地方自治体の権限によって意思決定される自治事務に変わったということです。

したがって各県各市町村の議会が国会にかわって地域の国会の役割を果たすようになってきた。そこでは予算も条例もすべてを決定するという役割がありますし、同時に執行機関をチェックすることも議会の役割です。

最近では地方議会の議員がそれぞれ政策提案、条例提案をするという役割もクローズアップされてきました。さらに「4年間おまかせ」ではありませんので、この間に意思決定をするにあたって民意を集約するということ、つまり単なる監視やチェックが仕事であった地方議会の役割は終わり、現在は立法機関として決定者であり、監視者であり、提案者であり、意見の集約者であるという、この4つの役割を果たせるかどうかの議会になっているかどうかの視点から地方議会が大きな問題になってきていると思います。

動画はこちら

中央大学経済学部教授 佐々木信夫 (行政学者)
新しい自治体のあり方や市町村合併、行政のしくみを説く。市町村合併のテレビ解説で第4回NHK地域放送文化賞を受賞。日本の「あるべき姿」を唱えて活動している。(wikipedia佐々木信夫行政学者より)
著書
自治体政策 (日本経済評論社2008) 現代地方自治 (学陽書房2009)
地方議員 (PHP新書2009) 都知事 権力と都制 (中公新書 2011) ほか多数

 

「議員報酬800万円」は安すぎるか?

 

お金の画像

 

■年収を800万円から1454万円に引き上げ

名古屋市議会議員の報酬額を巡り、市長と議会の対立が深まっている。河村たかし市長は自らが主導した「年収800万円」の恒久化を主張。議会側は1454万円に引き上げるべきだと訴えている。議員報酬はいくらが妥当なのか。市民の間でも意見が割れている。

河村市長は2009年4月に初当選。「市民税の減税」や「議員報酬の半減」を巡る議会との対立を受けて2011年に議会の解散請求(リコール)を実現すると、地域政党「減税日本」を立ち上げて同年の市議選で第一党に躍り出た。

「議会のボランティア化」が持論である河村氏は市議選の勢いそのままに1600万円だった議員報酬を800万円に削減したが、その後、減税日本の議員に相次ぎ不祥事が発覚。離党者も続出して第一党の座を自民党に譲ると、次第に勢いを失った。

2015年の市議選で減税日本は75議席中、12議席にとどまり、市長と対立する自民、民主両党が議席を伸ばした。この結果を受けて自民、民主、公明3党は「800万円では安すぎる」として議員報酬の引き上げを主張。開会中の2月議会に1455万円に引き上げるための条例案を提出することを決めた。

自民公3党を合わせると過半数を超えるため、現状のままでは引き上げ条例が成立する見通し。河村市長は自民公に対抗するため、街頭活動を展開するほか、同じく2月議会に現在は暫定措置である議員報酬800万円を恒久化するための条例案を提出する意向だ。

■欧米では地方議員はボランティアが多い

焦点となるのは年収800万円が市議会議員の報酬額として適当なのか、それとも安すぎるのか、だ。

市長の持論である議員のボランティア化は、本来、政治家は無報酬で担うべきだという考え。参考としている欧米では実際に基礎自治体のほとんどが無報酬で、支給するのは交通費などの実費だけ。議員は本業を持ちながら、夜間や週末に開かれる議会に出席する。

ただ、名古屋市議会の場合、議会は平日の日中に行われる。議会の開催日数は年間115日にとどまるが、一般の会社員との兼業は難しい。

■報酬が多ければ優秀な人材が集まる!?

市民の間には「議員ばかりが高額報酬を受け取るのはおかしい」との感情もある。名古屋市の場合、報酬とは別に経費として月50万円、年間600万円の政務活動費を支給している。民間の平均給与が400万~600万円程度なのに対し、議員だけが1000万円も2000万円も受け取るのはおかしい、というわけだ。

一方の引き上げ派は、他の自治体と比べて名古屋市の報酬額が突出して低いことを問題視している。毎日新聞によると2015年度の年間報酬額は横浜市で1629万円、神戸市で1567万円など。名古屋と同様に減額措置を適用している大阪市でも1345万円だという。
引き上げ派は報酬が安すぎれば優秀な人材が集まらないと主張する。実際に減額を主導した減税日本では議員の不祥事が相次いだ。ただ、報酬が高ければ優秀な人材が集まるかというと、そうでもない。年収が2000万円を超える国会議員が失態を犯し、辞職に追い込まれたのは記憶に新しい。

また「800万円では議員活動を続けられない」と主張する議員もいる。政務活動費は秘書の人件費や事務所の運営費に全額充てることができず、一部を政治資金で賄う決まり。寄付やパーティー券収入が少なければ自己資金で埋めなければならず、これでは生活が成り立たないという。

自民公3党にとっての弱みは、2011年に議員報酬の半減を条例で定めた際、河村市長と減税日本の勢いに押されて賛成に回ったこと。当時と今で、議員報酬を巡る環境に変化があったとは言い難い。市長に勢いがあるときは従っておいて、勢いが弱まったとみた途端に引き上げようというのは筋が通らない。

最も肝心なのは、議員が報酬に見合うだけの仕事をしているかどうかだ。800万円程度の仕事内容なのか、1455万円でも足りないほど市民のために働いているのか。最終的には選挙を通じ、市民がその判断を下すこととなる。

(地方議会ニュース解説委員 山本洋一)

photo: DickThomasJohnson https://www.flickr.com/photos/31029865@N06/15028333166/