【連載】 国家戦略特区シンポジウム(6月26日)その2 国家戦略特区とは何か?規制改革と経済成長の関係?

 

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【連載】 国家戦略特区シンポジウム(6月26日)その2 国家戦略特区とは何か?規制改革と経済成長の関係?

前回(その1)に引き続き、先日(6月26日)に行われた「国家戦略特区シンポジウム」(主催:内閣府地方創生推進)の様子を書き起こし形式でお伝えいたします。

 

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【平 将明氏(内閣府副大臣)】

 

国家戦略特区が目指すもの、ということで豪華なパネラーの皆さんと議論してゆきたいと思います。

 

国家戦略特区はアベノミクス・第三の矢成長戦略の、コアの政策です。マスコミ報道などをみておりますと、成長戦略はまだかな、国家戦略特区はなにをしているのか?といったことをよく聞きます。現場は かなり一生懸命やっているのですがなかなかうまく伝わっていないなと思います。さらに国家戦略特区の中で地方創生特区や近未来技術実証特区などあらたな試みもすすんでいるところです。ぜひ我々が何を目指しているのか、今何になやんでいるのか?を皆様にはぜひご理解いただきたいと思います。また、本日は私の強い要望でスプツニ子さんにも入っていただきました。かなり刺激的なセッションになると思いますがよろしくお願いいたします。

 

まずは国家戦略特区の制度設計の時からずっとかかわっておられる八田議員からお願いします。いままでいろいろな特区がありました。構造改革特区とか総合特区とかいろいろあったわけですが、国家戦略特区とはどういうものなのかというのをそういったところも含めてお願いします。

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地方議会ニュースまとめ(6月29日)

Cat on the shed.

地方議会ニュースまとめです。地方議会にまつわるさまざまなニュースから編集部がピックアップして紹介します(まとめ:地方議会ニュース)

■安保法制 246の地方議会が国会に意見書
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-06-22/2015062201_02_1.html
http://sp.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150624_21031.html

5月に安倍政権が提出した「平和安全法制整備法案」に対して、「反対」や「廃案」などを求める意見書を可決する地方議会が連日増え続けている。6月20日放送のNHKニュースによると、全国の地方議会のおよそ14%に当たる246の議会から、国会に対して意見書が提出されており、今国会の大幅延長で成立を狙う安倍政権を地方から包囲する動きとなっている。

■「地方議会の必要性を感じない」との回答が4割
http://www.nishinippon.co.jp/feature/local_councilor/article/177340
http://www.nishinippon.co.jp/sp/feature/local_councilor/article/177291

西日本新聞が5月下旬、地方議会への関心を探るため、福岡市の有権者に地方議会の必要性についてのアンケートを行った。回答者の4割が地方議会の必要性に疑問を抱いており、地方議会への関心を高める方策が課題として浮かび上がった。

■開成町議会「日曜議会」開催
http://www.townnews.co.jp/0608/2015/06/20/288516.html
http://www.kanaloco.jp/sp/article/104327

開成町議会が年1回開催している「日曜議会」が今月21日に開かれた。今回で11度目の開催。傍聴席は満席となり、別室での傍聴者も出た。
議会事務局によると、平日の勤務や学校などで足が運べない町民が傍聴に訪れるため、通常の3倍程度の傍聴者が議会を訪れる。

■斉藤里恵氏「無事に終え安心しています」議会初質問
http://www.nikkansports.com/general/news/1497656.html
http://sp.mainichi.jp/area/tokyo/news/20150626ddlk13010234000c.html

「筆談ホステス」として知られる、斉藤里恵区議が25日、定例区議会本会議で初めて一般質問した。
音声読み上げソフトを使い、区内の障がい者に対する広報態勢や教育向上、子育て支援事業などについて質問を行った。

■北区議会、突然の報道規制!相変わらずの地方議会の閉鎖性よ…
http://www.huffingtonpost.jp/shun-otokita/kita-ward-congress_b_7641216.html
http://www.asahi.com/articles/CMTW1506251300002.html

「筆談ホステス」斉藤議員の一般質問が25日、北区定例区議会本会議で行われ、多くの報道陣が集まったが、カメラ撮影や録音などは認められなかった。
朝日新聞の取材によると、東京都の23区議会のうち8区議会が本会議での撮影や録音を原則禁止している。

■大阪戦略調整会議:事務局の「共同設置」焦点 議会対立で難航も /大阪
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20150625ddlk27010445000c.html
http://www.asahi.com/sp/articles/ASH6S30PSH6SPTIL002.html
http://www.sankei.com/smp/west/news/150624/wst1506240083-s.html

「都構想」の対案として自民が提案した「大阪戦略調整会議」(大阪会議)は24日、府・大阪市両議会に続いて堺市議会で可決され、設置が決まった。初会合は早ければ8月に開催される見通しだが、二重行政解消などの成果を挙げられるかは見通せていない。

(地方議会ニュース編集部 なおみ)

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【衝撃】誰も読んでない?沖縄大宜味村議会が外務省に送ったはずの憲法9条遵守の意見書「みつからない」との回答

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■ 沖縄県大宜味村の「憲法9条の厳守を求める意見書」を追跡

前回は青森県外ヶ浜町議会で可決された「安全保障関連法案(戦争法案)の廃案を求
める意見書」の行方を追ったのだが、クレームのごとく扱われ、結局意見書のゆくえはわからず惨敗となった。

今回は沖縄県大宜味村議会が可決した「憲法9条の遵守を求める意見書」の行方を追ってみる。

大宜味村議会の意見書は、内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、外務省沖縄担当大使宛に郵送されているという。そこで、外務省に電話してみた。

■「憲法9条遵守意見書」を追って外務省に電話

まず、外務省の大代表の電話番号に電話した。

記者
突然のご連絡失礼いたします。私地方議会ニュースと申しますが、過日、沖縄県の大宜味村議会にて可決された「憲法9条の順守を求める意見書」の行方を追っておりまして、実際に外務大臣がお読みになったのかお聞かせ頂きたく思うのですが、担当部署にお電話繋いでいただくこと出来ますでしょうか?

「お待ちください」と言われ、何分間か電話口で待っていたところ、大代表の方がどなたかに意見書の扱われ方について聞いて頂いたようで、

外務省担当者(大代表)
大臣への意見書ということになると、公聴室もしくは情報通信課に行く。そこから主管課に渡った後、大臣のところに届いているかどうかということがわかる。

ということだった。

その後、公聴室、大臣室で大宜味村議会の意見書が回ってきていないか確認してもらうが、結局のところ見つからず

次に憲法9条を管理している安全保障政策課というところにつながった。安全保障政策課で現在どこの部署を回っているか調べてくれるという。折り返しのお電話いただくことになった。

しばらくしていただいた折り返し電話の結果はこうだった。

・大宜味村の意見書は見つからなかった
・憲法9条は安全保障政策課の管轄だが、まだ届いていない。
・意見書の取り扱い方は、基本的に大臣室に行き、大臣室→中身開封→大臣(お読みになるらしい)→主管課
・安全保障政策課の場合だと、ファイリングして意見書を保管している
・内容によっては、憲法9条の話であっても、他の課が主管している場合もあり、安全保障政策課に意見書が来ない場合もある。

というものだった。

■「意見書の流れ」食い違う主張

と、ここで気になることがでてきた。大臣宛に来た意見書が、
・大代表が省内の誰かに聞いた話だと、公聴室or情報管理課→主管課→大臣室
だが、
・安全保障政策課の人の大臣室→中身開封→大臣→主管課
となっており、全く逆なのだ。意見書が届いた際、どうなるかは決まっていないということなのだろうか。

■どこにあるかわからない意見書を気長に待つ

安全保障政策課では、回ってきた意見書をファイリングして保管しているという話を今回の電話で聞き出すことができた。憲法9条は安全保障政策課の主管であるということなので、いつかは意見書が回ってくるはずだ。

この意見書追跡シリーズの最終目的は、意見書がどう政策に反映されるかを聞き出すことにある。時間をおき、しばらくして再度届いていないか確かめ、届いていれば意見書がどう政策に反映されるか聞き出そうと思う。

意見書を出した地方自治体も、まさか自分たちの意見書が行方不明になっているとは知らないだろう。意見書は出すだけでは意味がなく、実際にどう政策に反映されているか、それは見届けたい。もし行方不明のままだったり、政策に反映されないということであれば、意見書そのものが、まったく意味のない、無駄なものだということになってしまう。

果たして、本当にそうなのか。さらに追跡して確かめたい。

(地方議会ニュース編集部)

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Photo:https://flic.kr/p/4TiKkE

【安保法制意見書はどこに?】きいただけで官邸激怒! 実は総理も官僚も意見書を読んでいないのか?

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■ 意見書のゆくえを追跡

最近、集団的自衛権の行使を具体化する法案への廃案を求め、地方議会での意見書が相次いで可決されている。

意見書とは、「地方自治法99条の規定に基づき、地方公共団体の議会が国会又は関係省庁に提出することの出来る文書」のことをいう。

ただ、こうした意見書には、本当のところ、どれぐらいの効果があるのだろうか? もっといえば、意見書を受け取る国の側で、誰が実際に目を通し、どのように政策決定に反映されているのだろうか?

安保法制に関する意見書はすでに240以上の地方議会から提出されているという(6月20日NHKニュースより)から、実は“積読”状態になっているのでは……という心配もなくはない。

そこで地方議会ニュース編集部は今回、その意見書の処理のされ方を調査してみた。

【今回調査対象とした意見書】
自治体名:青森県外ヶ浜町
内容:安全保障関連法案(戦争法案)の廃案を求める意見書
提出先:内閣総理大臣、防衛大臣、衆参両議長

■ 官邸に電話してきいてみました

調査方法はいたってシンプルで、提出先となっている内閣総理大臣が実際に外ヶ浜町の意見書をご覧になっているのか電話するというもの。

結果を言えば、惨敗だった。

そもそも、大代表から繋がれた先は、担当者ではなく、総理官邸に来た様々な意見を受け

付けるという部署だった。……つまり、早い話がクレーム処理班である。

そのやり取りがこちらである。

記者:
地方議会ニュース編集部ともうします。外ヶ浜町議会が可決した「安全保障関連法案」(戦争法案)の廃案を求める意見書に関する意見書が今月13日頃に総理宛に郵送で送られていると思うのですが、実際に総理がご覧になっているか確認させていただくこと出来ますでしょうか?

官邸側担当者 :
ここは、そういう内容を扱うところじゃない!おそらくだが、内容がきちんとしていたら、総理がご覧になっているかと思うが、それ以上はお答えできません!

記者:
では、外ヶ浜町の意見書を総理がご覧になっているかどうかは確認させていただくことは難しいのでしょうか?

官邸側担当者:
だから、内容がきちんとしていたら総理がご覧になっているかと思うが、それ以上はお答えできません!

結局「内容がきちんとしていたらご覧になっている」の一点張りで、怒鳴られ、全然相手にしてくれなかった。そもそも担当が違うのなら、なぜ担当者に繋いでくれないのだろう。
まるでクレームの内容にカチンと来た担当者から怒られているような感じだった。

■ なぜこんなにも相手にされない?!
なぜ、こんなにもぞんざいに扱われてしまったのか?

・提出した当事者がかけてきた電話ではないから。
・地方議会ニュースが弱小なメディアだから。
(大手の調査だったら、もう少しまともにあつかってくれたのかも?)

と、そんな気がしている。あまりにも官邸“担当者”とのやりとりが無残だったので、今回はそれ以上の推察もできない。

■ 官邸勤務経験者 高橋洋一氏(嘉悦大学教授)にきく

そこで、官邸内での意見書の扱われ方についてちょっとでも迫ろうと、内閣参事官として官邸に勤務した経験のある高橋洋一・嘉悦大学教授にコメントを求めてみた。

高橋教授によると、
「あまり官邸でそうした陳情を受け取った記憶がありません。総務省の参事官が総務省からの情報をあげていると思いますが…」とのこと。

官邸勤務経験者の高橋教授でさえあまり目にしていないということだった。今回の調査で外ヶ浜町の意見書の行方を探し出すことはできなかった。また、これまでの意見書の処理方法についても、迫ることができなかった。

官邸内のどこかには送られているはずなのに…

「消えた意見書のゆくえ」を追う調査は引き続きおこなっていくつもりだ。

(地方議会ニュース編集部)

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【連載】 国家戦略特区シンポジウム(6月26日) その1 地方行政・地方議会関係者必見 「地方が本気になって提案してきてほしい」

2015年6月26日、内閣府の主催で、「国家戦略特区シンポジウム」が開催されました。

<内閣府ホームページより>
【趣旨】
~国家戦略特別区域法が施行されてから、1年あまりが経過しました~
アベノミクス第3の矢である「国家戦略特区」。法施行から1年経過したことを受け、この度、国家戦略特区の成果を発表するシンポジウムを開催いたします。
シンポジウムでは、各指定区域の首長達が自ら成果のレビューを行い、現状での課題、問題点を踏まえながら国家戦略特区のこれからを考えます。

当日プログラムは下記参照のほど
国家戦略特区シンポジウム 内閣府地方創生推進室ページ

当日は虎の門ヒルズの400人規模の会場の席がほぼ埋まったほか、ニコニコ動画の生放送は2万人以上が視聴し、国家戦略特区への注目度の高さが改めて示されました。

特区とは、地方から国を突き動かそうという仕組みです。これまでも、特区の制度を使って、地方発でさまざまな新たなチャレンジがなされてきました。
昨年からスタートした国家戦略特区は、現時点では6か所ですが、さらに追加が予定されています。その意味で、国家戦略特区は、現時点で特区になっていない全国のほとんどの自治体にとって、決して他人事ではありません。

このシンポジウムでは、全国の自治体職員、地方議員、地方行政に関心のある方々にとって必見といってよい情報や視点が、少なからず提示されました。
今回から数回にわけて、シンポジウムのポイントをお伝えしていきます。
まず今回は、冒頭の石破茂大臣の開会あいさつと、締めくくりの小泉進次郎政務官と竹中平蔵氏(国家戦略特区諮問会議有識者議員)の発言からお伝えします。
最初の石破大臣のあいさつでは、そもそも国家戦略特区とは何なのかがわかりやすく示されます。


戦略特区担当大臣の石破です。本日のテーマは国家戦略特区です。いままでも特区はいろいろとありました。今回の国家戦略特区はいままでと何が違って何をやろうとしているのか、どうすればいいのかがどうもよくわからない、というのが国会の議論でもよく出ております。

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住民投票を盛り上げる3要素(地方議会ニュース解説委員 山本洋一)

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全国で相次ぐ住民投票。5月に行われた大阪都構想の住民投票は多くの注目を集め、投票率は直近の国政選挙や地方選を大きく上回った。一方、関心が高まらず、開票すらされなかった例もある。有権者を引き付ける住民投票、有権者不在の住民投票の違いとは。

「都構想」に市民が高い関心
大阪都構想の住民投票では大阪市の有権者210万人のうち、140万人超が投票。投票率は66.8%に達した。この数字は昨年末に行われた衆院選の57.4%(小選挙区)、今年4月の市議選の48.6%を上回り、投票率の低い都市部としては異例の高さとなった。

関心が高まった最大の理由は、テーマが大阪市を解体し、5つの特別区に再編するという都市制度の抜本改革だったこと。投票には法的拘束力があり、賛成票が一票でも多ければ都構想が実現、反対票が多ければ白紙に戻るという重要な投票だった。

しかも、マスコミの世論調査では「接戦」との予測が出ており、自分の一票が勝敗を左右するかもしれない、そんな緊張感もあった。

マスコミやインターネットでは有識者から一般市民まで、あらゆる論者が都構想のメリットやデメリットについて熱心に議論。大阪市が事前に開いたタウンミーティングにも連日、多くの市民が駆け付け、橋下徹大阪市長らの説明に耳を傾けた。

賛成派を率いる橋下市長や大阪維新の会、反対派の急先鋒に立った自民党や共産党の「アピール合戦」が熱を帯びたのも関心を高めた要因の一つ。住民投票は一般の選挙と異なり「選挙運動」の規制が緩く、テレビでは連日、コマーシャルが流れ、街中には賛否双方のチラシやポスターが溢れかえった。

大通りではひっきりなしに街宣車が大音量を鳴らしながら走り、主要な交差点では賛否両派の議員や運動員が道行く市民に呼びかけた。普段は投票に行かない無党派層も、否が応でも関心を持たざるを得ない状況だった。

最近、盛り上がった住民投票といえば、英国スコットランドの独立運動が思い浮かぶ。昨年9月に実施された、スコットランドが英国から独立するか否かを決める住民投票。賛否両派の論戦は過熱し、スコットランドだけでなく全世界の注目が集まった。

結果は賛成44.7%、反対55.3%で英国残留が決まったが、投票率は84.6%に達した。今年5月の英国総選挙の投票率が66.1%だったことと比較しても、独立の是非を問うた住民投票への関心の高さがうかがい知れる。

日本国内では名古屋市の河村たかし市長が主導し、自らの政策に反発する市議会の解散を目指した2011年の住民投票、埼玉県北本市でJR新駅建設の是非を問うた住民投票などで多くの有権者が投票所に足を運び、通常の選挙より高い投票率となった。

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開票すらされなかった住民投票も
もちろん成功例ばかりではない。2013年に東京都小平市で道路建設計画の見直しを巡って実施された住民投票は投票率が35.2%にとどまり、規定の50%に届かなかったため「不成立」に。住民の投票用紙は開票もされないまま、破棄されることとなった。

今年2月に埼玉県所沢市で行われた小中学校へのエアコン設置を巡る住民投票も投票率は31.5%にとどまった。結果はエアコン設置に「賛成」とする票が上回ったが、市の条例で「結果の重みをしん酌しなければならない」とした基準(賛成、反対のいずれかが有権者の3分の1に達した場合)には届かなかった。

今年5月に愛知県新城市で行われた新庁舎建設を巡る住民投票は投票率が5割を超えたが、直近の市議選に比べると約15ポイント低かった。

明暗を分ける3要素
これらの事例を踏まえて分析すると、有権者の関心を決める最大の要因は、投票にかけられたテーマの中身自体といえる。過去にも米軍基地や原発の建設など、わかりやすくて大きなテーマの住民投票は総じて投票率が高かった。

逆に争点がわかりにくかったり、テーマが矮小だったりすると有権者の足投票所から遠ざかりがち。投票の実施には多額のコストがかかるため「そこまでして住民に問うべきなのか」と冷めた目で見る有権者も増える。「本来は選挙で決めるべきだ」という意見もあるだろう。

二つ目は投票結果の「拘束力」の問題だ。住民投票の大半は議会の解散や首長の解任を決めるもの、もしくは特定のテーマについて住民の意見を求めるもののどちらか。前者は法的拘束力を持つが、後者は拘束力がないため諮問的な位置づけとなる。

後者の場合は投票結果が即、現実の政策に結びつかない可能性があり、住民の「他人事」ととらえやすい。ちなみに大阪市の場合は国政政党に呼びかけて特別法を制定してもらい、法的拘束力のある住民投票を実現させた。

三つ目は政治家の関与だ。名古屋市では河村市長と自民党など既成政党が激しく対立し、双方とも住民に自らの正当性をアピール。大阪でも推進派の維新の会、反対派の自民党や共産党双方が所属議員総出で街角に繰り出し、市民の取り込みを図った。 スコットランドの独立運動でも地域政党であるスコットランド民族党が主導的な役割を果たし、その後の総選挙で支持を急速に伸ばした。政治に不慣れな一般市民が主導するより、言葉巧みで影響力の大きい政治家が中心となった方が関心も高まりやすいといえる。

茨城県つくば市が運動公園の基本計画を巡って今年8月に住民投票を実施するなど、住民投票は今後も全国で相次ぐとみられる。三重県松阪市では市長と対立する市議会の解散を問う住民投票を目指し、リコールの署名集めが始まっている。

民主主義の手段の一つとして住民投票をうまく活用できるかどうかは、今後の地方自治にとって重要な課題。憲法改正の国民投票が現実味を増す国政も、またしかりである。

(地方議会ニュース解説委員 山本洋一)

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Photo:https://flic.kr/p/3Esx3o

地方議会ニュースまとめ(6月25日)

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地方議会ニュースまとめです。地方議会にまつわるさまざまなニュースから編集部がピックアップして紹介します(まとめ:地方議会ニュース)

◾️関川村議会、定数2削減を可決
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/politics/20150617187777.html

関川村議会の議員定数を現在の12から10に削減する条例改正案が17日、6月定例会最終日の本会議で可決された。7月の村議選から適用され、次期村議選は7月21日告示、26日投開票の日程で行われる。

◾️18歳選挙権と地方議会
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150618_71015.html
http://www.sankei.com/region/news/150618/rgn1506180065-n1.htm

選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が成立したことを受け、各地で新たな有権者となる高校生や大学生を対象とした、選挙制度の啓発に乗り出している。
18歳選挙権は、来年6月20日以降に公示される参院選で初適用され、その後地方の首長、議員選挙にも適用される。

◾️市川市議会政務活動費問題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150618-00000044-san-l12

市川市議会の政務活動費を巡る問題で、外部監査で約2,130万円の不適切な支出があったとの指摘を受け、多くの会派が全額もしくは一部を自主返納するなか、自主返納に応じていない小泉文人議員と鈴木啓一前議員に対し、市議会は17日、調査特別委員会(百条委員会)を設置することを決議した。

◾️<政調費>「仙台市長は返還請求を」提訴へ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201506/20150618_13061.html

仙台市議会に交付された2012年度の政務調査費に、違法な支出があったとして、仙台市民オンブズマンは17日、奥山仙台市長に対し、違法支出分を各会派に返還させるよう求める訴えを仙台地裁に起こす方針を固めた。

◾️多選自粛条例
http://senkyo.mainichi.jp/news/20150618k0000e010123000c.html

首長の多選による行政の独善化や人事の偏向などの弊害を防止するために、地方自治体が定める多選自粛条例は、全国で少なくとも24自治体で設けられている。しかしこの条例は、多選を禁止するものではなく、努力規定とする条例であり、自ら提案し制定した多選自粛条例や掲げた公約を翻して現職が立候補する動きが出ている。

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photo Ruben Holthuljsen https://www.flicker.com/photos/rubenholthuijsen/9376257472/in/photostream/

【お知らせ】地方議会ニュース解説委員・原英史が出演する番組が放送されます!

本日、6月25日(木)16:30から、地方議会ニュース解説委員・原英史が出演する番組が放送されます。

 

6/25(木)16:30〜「土日夜間議会改革」堺屋太一×中森明夫×原英史

出演:堺屋太一(作家・元経済企画庁長官)
     中森明夫(作家)
     原 英史(政策工房代表取締役社長)

 

詳細はこちら。 http://live.nicovideo.jp/gate/lv224469729

<18歳選挙権と地方>(2) 若者代表を議会に送りだそう!

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<18歳選挙権と地方>(2)   若者代表を議会に送りだそう!

地方議会ニュース解説委員 原 英史(株式会社政策工房代表取締役)

 

選挙権年齢を18歳に引き下げる公職選挙法改正が国会で成立しました。

来夏の参議院選に適用されることが注目されていますが、国政だけでなく、地方選挙(首長選挙、地方議会議員選挙)にも適用されます。

 

ただ、新たに選挙権を与えられた若者たちが選挙に行くのかどうかは課題です。

 

若者世代の投票率は、この半世紀の間、大幅に低下してきました。

世代別の投票率データ(衆議院選挙)をみると、

・20歳代は、1967年:66.69%→2014年:32.58%、

・30歳代は、1967年:77.88%→2014年:42.09%。

全世代の投票率は、1967年:73.99%→2014年:52.66%ですから、若者の投票率低下が顕著です。

 

地方選挙での世代別投票率データは全国レベルで集計されていないようですが、市区町村議会議員選挙の全世代投票率をみると、1967年:76.87%→2011年:49.86%と、国政以上に大幅な下落傾向です。若者世代の投票率もさらに大幅に下落していると考えられます。

 

こうした中で、選挙権年齢を引き下げた結果、来夏以降、さらに投票率低下につながる可能性も否めません。

もちろん、そんなことでは、18歳選挙権を実現した意味は半減です。

 

では、どうやって若者たちの政治への関心を高めることができるでしょうか。

 

有効な手立てのひとつは、「若者代表を議会に送り出す」というムーブメントを作ることではないかと思います。

 

国会や地方議会における年齢分布を整理してみると、次の表のようになります。

 

 

  20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 70歳代 80歳~
衆議院 0.2% 8.9% 26.8% 33.3% 22.9% 7.9% 0%
参議院 6.1% 20.6% 37.6% 23.5% 11.9% 0%
都道府県議会 0.1% 6.3% 18.0% 27.2% 36.5% 11.2% 0.1%
市区議会 0.5% 5.1% 11.9% 27.3% 43.9% 11.0% 0.3%
町村議会 0.1% 1.8% 5.3% 19.4% 53.2% 19.2% 0.9%

(出典)

・全国都道府県議会議長会(2014年7月時点)

・市議会議長会属性調べ(2013年8月集計)

・町村議長会「町村議会実態調査」(2014年7月時点)

 

国会も地方議会も、20歳代・30歳代の議員は圧倒的に少なく、一般社会なら定年になる60歳代以上の議員が多くを占めていることがわかります。

 

そして、国会はまだましな方で、市区議会、町村議会はさらにひどい状態であることもわかります。

・市区議会の場合、40歳未満は5.6%、60歳以上は55.2%、

・町村議会の場合、40歳未満は1.9%、60歳以上は73.3%、

という、極端に偏った年齢構成です。

 

このように、議会と自分たちの世代とが全く隔絶した状態では、若者たちが政治になかなか関心を持てないのも、無理ない面があるのでないでしょうか。

 

だからこそ、ここに、若者の政治参加を拡大するための鍵があると思います。

とりわけ現状ではほぼ若者世代が皆無に近い市区町村議会において、「若者代表」が立候補し、若い世代の有権者が「若者代表」を送り出そうとする動きがうまれれば、事態は大きく変わる可能性があるでしょう。

 

もちろん、現状の議会や制度のもとでは、若者代表の立候補が難しいという問題もあります。

平日昼間は仕事のある人たちが、ふつうに立候補できるような議会への変革も必要です。

また、被選挙権年齢(地方議会議員の場合は25歳以上)をさらに引き下げることも検討すべきでしょう。

 

ただ、こうした議会改革・制度改革を待っているのではなく、それらを前進させるためにも、若い世代が思い切って、一歩前に足を踏み出すことが重要だと思います。

これからの一年間で、こうしたムーブメントが広がるよう、応援していければと思っています。

(地方議会ニュース解説委員 原 英史)

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<18歳選挙権と地方>(1) 18歳選挙権実現のきっかけとなった特区提案

 

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<18歳選挙権と地方>(1) 18歳選挙権実現のきっかけとなった特区提案

地方議会ニュース編集部 菊岡 無粋

 

18歳選挙権がようやく実現し、来年夏の参院選から適用されることになった。

このタイミングで実現したのは、憲法改正のための国民投票制度整備と連動したことが大きかった。

 

しかし、忘れてはならないのは、この実現に向けて、長年にわたり、地方自治体からの突き上げがなされていたことだ。

地方自治体の住民投票では、2000年に田無市・保谷市(現・西東京市)の合併に際しての市民意向調査で18歳以上に投票権が与えられた頃から、独自に未成年に投票権を与える動きが広がった。

また、2003年には、北本市が構造改革特区提案として、特区内で公職選挙法の特例を設け、選挙権・被選挙権年齢を引き下げることを提案し、その後、他の自治体も追随した。

その後、2013年、国家戦略特区提案の中でも、相馬市長などが賛同者となって(提案主体は任意団体万年野党)、特区内での選挙権・被選挙権年齢の引下げが提案されていた。

 

こうした地方自治体での動きの積み重ねが、国を動かし、今回の制度改正につながった面は小さくない。

 

自治体から国に対する働きかけとしては、陳情や意見書提出といったものがありがちだが、独自制度の導入や特区提案はしばしば、それ以上に大きな効果を持つ。

これは、単に国に「お願い」しているのでなくて、自ら制度を導入する、あるいは、国が特例を認めてくれさえすれば独自制度を導入する姿勢を示すという意味で、覚悟を伴った動きだからだ。

 

本件のように、自治体からの特区提案を受けて、特区内での特例措置という形ではなく、全国的な制度改正がなされることも、しばしばあることだ。

 

地方行政関係者からは、「特区提案を行なっても、国の対応が鈍く、なかなか実現しない」といった声を耳にすることがある。だが、提案する側が本気で、練られた内容の提案を行なっているのかどうかも問題だ。

本件のような成功事例も少なからずあるのだから、国の対応を言い訳に、簡単にあきらめるべきではない。

 

また、地方から国に提案できるのは、首長部局だけではない。

地方議会も提案主体となることができるし、過去にはそうした例もある。

2004年に草加市議会、2010-11年に半田市議会の会派が、構造改革特区提案として、自治体における議院内閣制型への移行などを提案したことがある。

これらはまだ実現されていないが、こうした提案も、簡単にあきらめることなく、続けていくことが重要だ。

 

今回の18歳選挙権をきっかけとして、さらに、地方から国を突き動かす取組が広がっていくことを期待したい。

 

(地方議会ニュース編集部 菊岡 無粋)

 

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